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精子提供・体外受精・人工授精・不妊治療等に関するニュース【2021.5/27】

2021.05.27
精子提供・体外受精・人工授精・不妊治療等に関するニュース【2021.5/27】

こんにちわ。管理者のミライです。
精子提供、体外受精、人工授精・不妊治療に関するニュースをご紹介いたします。

引用:毎日新聞

国内初の民間「精子バンク」が運用開始 来年にも提供へ

人工授精で用いる第三者の精子の保管と提供を担う、国内初となる民間の「精子バンク」の運用が1日始まった。提供者の登録を進め、早ければ来年にも提供が始まる見込みで、年500件を目指す。インターネットなどを通じた医療機関が関与しない取引が横行する中、安全性と品質が担保された供給体制を整える狙いがある。

無精子症など男性側に原因があるカップルの不妊治療のために第三者の精子を使う人工授精(AID)は、国内では日本産科婦人科学会が登録する12医療機関で実施されてきた。2018年には約3400件行われ、130人が誕生。妊娠率は数%とされる。

今回設立した精子バンクは、生殖医療が専門の岡田弘・独協医大特任教授が社長を務める「みらい生命研究所」(埼玉県越谷市)が運営する。独協医大は、提供者の血液検査などで技術協力を行うという。

同研究所によると、提供者は協力を申し出た20~40歳の医療関係者に限定し、感染症の有無や精子の機能、凍結しても質が保てるかを調べて保管する。妊娠率が30%になることを目標に、1件当たり15万円で日産婦登録施設に提供し、運営費に充てる。

利用者は、日産婦の登録施設で不妊治療を受けるカップルで、バンクとの直接的なやり取りはない。1日から提供者への説明を始めるが、精子の採取から提供まで検査などで最低でも半年かかるという。提供者には交通費を含む協力金が支払われる。

AIDを巡っては、精子提供者の個人情報を伝えないことを条件に提供者を募ってきた。しかし近年、生まれた子の「出自を知る権利」が海外で認められ始めた。国内でもこうした状況になることが懸念されて提供者が減少し、治療が行えない施設も出ている。

ただ、国内では昨年末、第三者の精子・卵子を使った場合の親子関係を定める民法の特例法(生殖補助医療法)が成立したものの、出自を知る権利は盛り込まれず、議論は先送りとなった。今回、バンクでは、提供者は「匿名」か「非匿名」を選択でき、提供を受ける側がどちらの精子にするかを選ぶ。今後、知る権利が明文化されることになれば、匿名の選択肢がなくなる可能性もあるという。

また、インターネット上には、医療機関を介さない精子提供をうたう情報が出回る。岡田特任教授らの調査では、グーグルなどの検索エンジンで「精子ドナー」「精子ボランティア」などと入力したところ、少なくとも140のサイトやブログが見つかった。このうち、五つを除き、感染症などの検査が不十分だった。

岡田特任教授は「女性の妊娠適齢期もあるため、焦ってネット情報に頼るケースもあるだろうが、医療行為が個人間で行われるのは危険だ。研究所では、効率的な精子の凍結や良質な精子の検査手法の確立にも取り組んでいきたい」と話した。【渡辺諒】

生殖補助医療に詳しい埼玉医大の石原理教授(産婦人科学)の話 安全な精子の提供体制の構築に向け、大きな一歩になったことは歓迎できる。一方で、これまで国内で課題となっていたことが、改めて浮き彫りになる。それは、第三者の精子を使うAIDは女性の子宮に精子を戻す人工授精しか認めておらず、体外での受精はできないルールとなっている点だ。体外受精にした方が、提供精子をより有効に使えるため、AIDにも認めるべきかの議論が必要だろう。また、未婚の女性や性的マイノリティーの人たちへの提供を認めるかという課題もある。これらを認めると、出自を知る権利は、これまで以上に切実な問題になる。国民的な議論が必要な時期に来たと言える。

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