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精子提供・体外受精・人工授精・不妊治療等に関するニュース【2020.11/12】

2020.11.12
精子提供・体外受精・人工授精・不妊治療等に関するニュース【2020.11/12】

こんにちわ。管理者のミライです。
精子提供、体外受精、人工授精・不妊治療に関するニュースをご紹介いたします。

引用:DIAMONDonline

男性不妊の専門医が伝授する「精子力アップ」、妻が若くても安心は禁物

「不妊原因の半分は男性側」というWHO(世界保健機関)の大規模調査や、男性不妊分野の進歩もあり、女性を妊娠させることができる“良い”精子とは何か、その全容が少しずつ分かってきた。特集『不妊治療の光と闇』(全8回)の#3では、精子の質を上げる生活習慣、精子がない「無精子症」へのアプローチなど、男性不妊治療の最前線に迫る。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

● 泌尿器科への受診で 高額な不妊治療を回避できるケースも

「あなたの精子では、顕微授精するしか道はありません」

Sさん(40代男性)は、妻と一緒に不妊検査を受けたクリニックで医師からそう告げられ、がくぜんとした。

精液中における、奇形の精子の割合が、正常値よりもかなり高かったのだ。

妊娠に至るには、まず男性の精子と女性の卵子が受精しなければならない。正常な形ではない精子は、うまく受精に至らない可能性が高いとされている。

そのため、精液中から正常な形の精子を探し出し、注射針で卵子に注入する顕微授精を、医師に勧められたのだ。

しかし、そのクリニックの顕微授精の値段は、なんと一式で100万円。

しかも、助成金額は初回30万円で以後1回15万円。不妊治療には多額の費用がかかり、初回の助成ですら1回の費用の半額以下なんだとか。

「いくら自然妊娠が難しいといわれても、100万円なんて簡単に出せる金額じゃない。何かやれることはないのだろうか」

Sさんと妻が、知人に相談したり、インターネットで情報収集をしたところ、男性の精子の状態に詳しいのは、産婦人科領域をベースとしている従来の不妊治療施設ではなく、泌尿器科であることが分かった。

そこでSさんと妻は、男性不妊専門の泌尿器科を受診。半年間「精子の質を上げる」ことを目的とした治療を受けたところ、やはり自然妊娠はしなかったが、人工授精(精液をチューブで女性の子宮内の奥に注入する)という方法を2度行った末に、妊娠。元気な赤ちゃんを授かった。

人工授精は公的保険外だが、費用は数万円程度で、顕微授精の10分の1以下。男性不妊の治療を半年行った金額を上乗せしても、3分の1程度で済んだ。

「あのまま最初のクリニックで、勧められるままに治療していたら一体幾らかかっていたのかと思うと、寒気がする。男性不妊の専門医に相談して本当に良かった」と、Sさんは胸をなで下ろす。

なぜ精子の状態が悪いのか、その根本的な原因は、不妊治療の主たるプレーヤーである多くの産婦人科医にとって、専門外の領域だ。

男性不妊の患者を数多く治療してきた、泌尿器科医で横浜市立大学附属市民総合医療センター生殖医療センターの湯村寧准教授は「精子の状態が悪い根本的な原因を突き止め、それを治療することで、高額な生殖補助医療を回避できるケースも少なくない」と話す。

 さて、精子の質を上げるという男性不妊の治療とは、どのようなものだろうか。

 「いやいや、不妊の原因は卵子の老化でしょ?うちは妻が20代だから大丈夫」――。

 一昔前は、これが常識であるかのように語られていた。

確かに、先天的な要因がなくても、女性が加齢とともに妊娠しにくくなるのは医学的に証明されている。女性の卵子は、すでに胎児の頃に作られ、生まれてからは新たに作られることはない。つまり、卵子の年齢=本人の年齢なのである。

しかも、現在の医学では卵子の質を上げる、つまり若返らせる治療はない。人間が若返ることができないのと同様に、加齢にあらがって女性の妊娠力を上げることはできないのだ。

しかし、最近の知見では、男性も加齢による不妊への影響が指摘され始めている。それを示したのが下図だ。

高齢になればなるほど、精子の数や運動率が下がっており、妊娠力が衰えているのが分かる。「男は女と違って幾つになっても子づくりできる」わけでは決してない。

とはいえ、女性の卵子とは異なり、男性の精子は精巣という器官で、常に新たに作り続けられ、古いものと入れ替わっている。

本特集#1『「卵子の若返り」にだまされるな!不妊治療で本当に信頼できる施設選び』では、卵子の若返りや質の向上をうたう施設は怪しいと述べたが、加齢による影響は多少あれど、精子の質を上げることは、医学的に可能であるといえよう。

精子をつくる(造精)機能の問題点を探り、それを取り除くことで“精子力アップ”を図る、それが男性不妊の治療目的なのである。

● 精液検査で精子力が丸分かり 無精子症にも手だてはある

男性不妊の治療は、何をおいてもまず「精液検査」なしには始まらない。

検査の判定方法はWHO(世界保健機関)の基準値が採用されている。主な検査項目が下表だ。

専門医が重要視するのは、精子の数や運動率、奇形の精子の割合などを示す、上表の(2)(3)(4)(5)(表内は丸囲み数字。以下同)。「これらのファクターの異常が、男性不妊の8割超を占める」(湯村准教授)。

冒頭のSさんの場合、(5)の「正常精子形態率」が1%と、正常値よりも低かったため、奇形精子症との診断だった。

2)(3)(4)(5)の数値が低いと、造精機能に何らかの原因で障害が起きている可能性が高い。湯村准教授によると「造精機能の障害を招く原因は不明なことも多いが、男性不妊患者の約3割に見られる『精索静脈瘤』は薬や手術によって治療が可能」という。

前述したように精子は、精巣という器官でつくられる。その精巣内にある血管(静脈)の血液が逆流して、こぶのようなものができた状態が、精索静脈瘤だ。精巣内の温度の上昇や低酸素環境を招き、造精機能に徐々にダメージを与えていく。

時間がたてばたつほど造精機能の障害は進むため「1人目は自然妊娠したのに、2人目はなかなか授からないという『2人目不妊』は、精索静脈瘤が隠れているケースが多い」(湯村准教授)。

精索静脈瘤の手術は、術式や麻酔のかけ方、日帰りか入院かなどによって、公的保険が適用される場合と、自由診療で行われる場合がある。保険適用なら、患者の自己負担額は15万円前後だ。

精索静脈瘤など、造精機能の障害となっている原因が見つからない患者に対しては、漢方薬やビタミン剤などによる薬物療法を行う。

原因不明の男性不妊に対しては、これまで医師個人の経験則で薬やサプリメントを処方していたケースが多かったが「薬物療法の効果に対するエビデンス(科学的根拠)が少しずつ集積されつつあり、どの施設でもある程度は同じ治療を受けることができるようになってきている」(湯村准教授)。

男性不妊の中で、最も深刻なのが、原因不明の無精子症だ。射出精液の中に、1匹でも精子があれば顕微授精が可能だが、ゼロではそれもかなわず、かつては血のつながった子どもを諦めざるを得なかった。

しかし、15年ほど前に「TESE(精巣内精子採取術)」という、精巣内から精子を回収する手術法が開発。回収率は4割程度と高くはないが、自分の子どもを持てるチャンスが生まれた。

ただ、手術による精巣へのダメージが大きく、何度も行える手術ではない。また、染色体異常が関連した無精子症の場合、子どもが男の子だと、男性不妊がその子に受け継がれる可能性もあるため、そのリスクは留意しておきたい。

● 「股間は常にクールビズ」が合言葉 週に2回は射精するのが望ましい

 精子の状態は「生活習慣によっても改善する余地がある」と湯村准教授。

まず、精巣はとにかく熱に弱いので、精巣がある股間周辺を温めてしまうファクターをなるべく取り除くことが重要だ。

下着はブリーフよりも通気性の良いトランクスにする、長風呂やサウナは控える、ぜい肉が股間を圧迫して熱がこもりがちになるので肥満体形にならないよう注意するなど、精子のためには「股間は常にクールビズ」が合言葉といえよう。

次に、精液をため過ぎると造精機能に悪影響を及ぼすので「週に2回は射精するのが望ましい」(湯村准教授)。

また、喫煙は精子に悪影響であるほか、ED(勃起不全)の原因にもなるのでNGだ。不妊だけでなく自身の健康維持にも不可欠である上、妻が妊娠した場合、胎児への副流煙は絶対に避けなければならない。どうせ禁煙しなければならないのだから、今のうちにやめておいた方が身のためである。

近年ではコエンザイムQ10、亜鉛、カルニチンなどの栄養素の摂取が良いという報告や、精子に悪影響を与えるとされる酸化ストレスとの関係を示すデータも出始めているという。

多忙な日々を送るビジネスマンには難しい相談かもしれないが、十分な栄養と休息を取ることも忘れないようにしたい。

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